日々の庭づくり/造園施工
茶庭施工例 モダンな住宅と和の坪庭空間の融合
東京都文京区に新築されたO邸の庭づくりをご紹介します。
邸内には本格的な茶室を設けられ、表千家の茶道を教えていらっしゃいます。居住空間としての使い勝手を考慮しながら、上手く茶庭として利用できるようにとのご要望を頂きました。
玄関前庭と外露地を兼ねた空間
安らげる居住空間を生かしながら、上手くお茶事のできる和の庭づくりを目指して作庭に励みました。 外観がモダンなコンクリート造の住宅と和の露地が上手く融合して、新感覚の空間が生まれました。
玄関への石畳は、年月を経て味わい深くなった御影石を加工して再利用しました。隣地との境界には御簾垣と建仁寺垣を配し、独立した空間の味わいと遠近感を持たせています。
石材や竹材の持つ素材の良さを引き出すことで味わい深い庭ができるのだと思います。
玄関前の植栽は、オオモミジ イロハモミジ ヤマコウバシです。ヤマコウバシは新芽を守るために芽吹きと同時に落葉するので、冬期にも暖かみのある冬枯れの葉をつけています。
外露地から内露地への導線
中門を境に内露地への景観です。
飛石 草の延段 深草土のたたきへと足下の素材に変化をつけています。また、幅の狭い場所なので直線的になりがちですが、景石を据えることで延べ段に曲線を持たせ、距離感を出しています。
内露地
マットブラックのモダンな擁壁に大きな根府川石を配して手水鉢の背景にしました。
躙口前の踏石以外の役石を省略しフラットな深草土のたたきを施工しました。、普段の使い勝手を優先させたことで、かえって印象的な内露地が仕上がりました。
茶室
完成後、この新しいお茶室でお茶を点てて頂きました。格別の時間を有難うございました。
前庭
掲載日:2012.03.10