日々の庭づくり/造園施工
屋上庭園 屋上緑化の施工例と施工手順(東京都文京区定泉寺様にて)
東京都文京区の定泉寺様で、屋上庭園を施工させて頂きました。
施工から2年ほど経過しましたが、樹木の生長は良好で、しっかりと根付きました。光に輝く木の葉や、季節ごとの花々が心を癒してくれます。
また、ヒートアイランド現象や大気汚染の緩和策として、屋上緑化は大変効果的です。文京区にも環境に配慮した、屋上緑化の助成金補助制度があります。この屋上庭園も、助成金補助を受けることができ、都市部の環境改善に貢献していると思います。
屋上庭園完成を喜んで下さったご住職
都心の空中庭園
屋上庭園の施工手順や植樹のご紹介をしたいと思います。
施工前の様子
コンクリートの屋上は、夏大変暑くて、室内の温度も上昇させるため、緑化することになりました。
まずはじめに、耐根シートを敷きます。コンクリートの隙間や防水層に樹木の根が入り込むのを防ぎます。
枠組みに使用した枕木に排水口を設けています。土壌が吸収しない過剰な水がスムーズに排出されるよう、多めに設ける事が重要です。排水口が小さかったり、少なかったりすると根腐れの原因になり、樹木が健全に育ちません。
耐根シートの上に保水マットを敷いています。卵パックのような形状で、凹部に保水し、余分な水は上部から排水するように作られています。
保水マットの凹部にパーライト(軽石)を入れ、上部からの土圧で穴が塞がらないようにしてから透水性のシートを敷き詰めます。
排水口にはパーライトをネットでつつんだものを設置します。土壌の流出を塞ぎ、余分な水を効率よく排水するように施工します。
透水シートの上に人工軽量土壌を入れています。 芝生地は約15センチ、植樹地は約30センチの深さにしました。土が水を含むと重量が増すので、建築の強度を超えないよう注意して設計します。
土の上にホースが見えていますが、自動灌水用のものです。ホースには約30センチ間隔で小さな穴が開いていて、水圧がかかるとすべての穴から点滴のように水がしみ出します。
タイマーを付けて、季節ごとに灌水時間と回数を調整できます。
芝貼り作業中です。基準の水糸を張って水勾配をとり、凹凸がでないよう丁寧に施工します。
目土をかぶせ、切り芝の隙間に充填します。
樹木を配置してバランスをとっています。人工土壌の深さに合わせて根をつくってあります。
中木はカラタネオガタマポートワイン ロドレイヤー アメリカハナズオウフォレストパンシー 雌雄のソヨゴ ホソバタイサンボク セイヨウニンジンボク イジュ フェイジョア
低木はセイヨウイボタシルバープリペット ベニバナトイワマンサク アベリアエドワードゴーチャ アベリアホープレイズ グミギルトエッジ グミライムライトを植栽しました。
植樹が完了しました。イナズマ形の植栽地の角に植栽したアベリアホープレイズの明るい葉がアクセントになり、遠近感を強調できました。
樹木のご紹介
ロドレイヤーの花
ベニバナトキワマンサクの花
アベリアホープレイズ
この屋上庭園が、ますます魅力的な庭になるよう、今後とも大切に管理していきたいと思います。 定泉寺様、ありがとうございました。