My Works
敷石施工例 江戸時代古民家の石畳
この度敷石改修工事を施工させて頂いたT様のお宅は、東京都足立区千住柳原町の古民家です。江戸時代に建築された母屋は約200年の歳月を経ています。 江戸時代の火災や関東大震災を乗り越えてきた建築は非常に味わい深い趣があります。 時代を経た建築に見合う石畳となるように努力しました。
石材は御影石板の古材を再利用しました。近年の御影石は輸入品が多く、国産の御影石の風合いとはかけ離れているためです。 古い民家を改修するときに、 多くの石は捨てられてしまいますが、私はなるべく再利用したいと思っています。 昔の材料は現在と比べ物にならない程風格と味わいがあります。板石に関し ても、機械でまっすぐに切られた石と手作業で切り出された石とでは大きな違いがあります。昔の様に手作業で石を切り出す場合は、石の節理や石目を見極め て、自然に逆らわない方向で切り出します。現在の材料はカッターで切るので、あまり考慮されないようです。 手作業でノミ切りされた石はゆがみが有り据え にくいのですが、そんな材料を石畳にしていくのがとても面白いのです。
ご先祖様から伝わってきた建築を大切に維持されているお客さまのお宅で、古材を生かした仕事をさせて頂けてとても有り難いと思いました。
幼稚園園庭のビオトープガーデン(渋谷区鶯谷さくら幼稚園様)
都心の幼稚園で小さな子供達が自然とふれあうことのできる場所をつくりたい。園長先生を始め 、子供達の感性を豊かに育てたいと願う先生達のご要望から、ビオトープガーデンをコンセプトに庭を造らせて頂きました。
クラスごとに季節の野菜や草花を育てる事ができるよう、木製の花壇をつくりました。子供達が走り回る園庭ですので、花壇の高さを上げることで、草花が痛みにくく、作業性も確保する事ができました。 子供達と先生が一緒にお花や野菜の種を植え付けて、成長や収穫の喜びを分かち合うことができます。 高さに変化をつけた花壇
ビオトープガーデンの中には、小さな池を設けました。 スイレンやガマの生育場所として、またトンボが産卵したり、鳥たちがやってきたりと、小さな池でもたくさんの発見があります。 ビオトープ池
池底には粘土を敷き詰めて、生物の住みかになるようにしました。
ビオトープガーデンと園庭の仕切には、薪を積み上げた垣根を作りました。 ヤモリや昆虫の住みかとなると共に、自然な園庭との境界になりました。子供達が薪を持ち上げて虫を探す楽しみもあります。
池の周りには、ブルーベリーやブットレアを植栽してあります。 蝶や鳥がやってくる庭そして子供達が自然の中で学べる庭ができました。
カフェandショップのエントランス造園施工例 港区青山カフェK
東京都港区青山にファッションブティックとカフェをオープンされると言うことで、エントランスの造園工事の依頼をいただきました。 フランスのブランドですが、あえて和の庭にしたいと希望されました。
周囲にめぐらせた御簾垣は、細めのマダケを用いて作成しました。適度に遮蔽して風通しがよい、すっきりとした竹垣です。 敷石は歩きやすさを考慮して、フラットな鉄平石張りを施工しました。植栽や石組とのなじみを良くするため、端の部分は直線でなく、乱れ形式としました。 石材は黒色を希望されたので、ジャワ鉄平石を用いています。
敷石の路地にアクセントを加える石組は控えめですが、味わい深い京都の材料から選ばせて頂きました。京都の龍安寺を思わせるような質感の石達です。
植栽はなるべくシンプルに、和を象徴する素材を選択しました。シンボルツリーには黒松、棕櫚竹、グラウンドカバーはクラマ苔とコグマザサを用いました。 シンボルの松はオープンから2年ほど経過した現在も元気で育っています。 敷石もたくさんの人が歩いて、ますます味わいを増しています。 ありがとうございました。