日本の庭園
朝倉彫塑館の庭園
渡り廊下からの景
縁先手水鉢の景
先日、お客さんに勧められて朝倉彫塑館を訪れました。所在地は東京都台東区谷中で、日暮里の駅から徒歩5分程の高台にあります。建築は、彫塑家 朝倉文夫 (1883~1964)本人の設計、監督のもと昭和10年に完成したもので、西洋建築と日本建築がうまく融合しています。派手さは無いのですが、細部まで 丁寧な仕事が施してあり、大切に管理されているので、主張しすぎない粋で落ち着いた空気を感じる事ができました。
中庭は、「五典の水庭」と呼ばれ、地下の湧水を利用し、儒教の五常の教えを造形化した「仁」「義」「礼「智」「信」の五つの巨石と鞍馬石の飛び石、六方石 の橋が配されています。また、1月の白梅に始り12月の山茶花で終わるまで、四季折々に白い花を咲かせる木が植えられています。それは、生涯にわたって素 直さや純粋さを持ちつづけたいとのぞんだ朝倉氏が、白い花を素直、純粋の色とみたところからきています。しかし「物事は満つれば欠くる」の喩えもあり、完 璧を避けるため、一本だけ赤い花(百日紅)が植えられたという事です。
掲載日:2010.03.28