日々の庭づくり/造園施工
竹垣施工例 建仁寺垣の作り方(東京都文京区定泉寺様)
文京区の定泉寺様にて、建仁寺垣を施工させて頂きました。
近年、天然素材を使った竹垣が少なくなってきたせいか、施工中には、小道を行く方々にたくさんの応援のお言葉を頂きました。「歩いていて気持ちい い。」とか「頑張ってね。これからここを通るのが楽しみになるね。」等々・・・。寒さを忘れさせてくれるくらい暖かいお言葉を頂きました。
建仁寺垣は、その名の通り、京都祇園にある禅寺建仁寺を起源とする竹垣として知られています。現在でも、最も作例の多い竹垣の一つですが、竹材の使い方に無駄が無く、丈夫で長持ちする構造は遮蔽垣の中で特に優れていると思います。
この度の作例をもとに、施工手順を追ってご紹介したいと思います。
はじめに柱を立て、柱をつなぐ胴縁(どうぶち)を渡していきます。
写真では胴縁として、材木に防腐加工した物を用いています。柱にほぞ入れして、強度が増すように施工しています。また、胴縁の間隔(割間)は、竹垣の味わいを左右する重要なポイントです。
次に立子(たてこ)と呼ばれる割竹をかきつけていきます。竹は先端部になるほど細くなっていくので、割竹の上下を交互にかきつけるなどして垂直を保っています。また、節が揃いすぎると隙間が多くなるだけでなく、デザイン的にも窮屈な印象になってしまう点に注意します。
両面施工の場合は、裏側も同時にかきつけていきます。
かきつけが完了したら、立子を押さえる押縁(おしぶち)を取付けていきます。押縁は、竹を半割にしたものですが、横方向からみて、竹がまっすぐに見えるよう割るのが肝心です。また、元末を交互にして、水平方向の間隔を調整します。
最後に、上部からの雨水浸入を防ぐ笠竹を取り付けます。両面の押縁と立子にかぶさる太竹を半割にして使用します。押縁の半割とは割り方が異なり、天端が水平に見えるように割るのがコツです。
建仁寺垣が完成しました。
竹の特性をうまく活用した建仁寺垣の施工法が少しでも伝わったでしょうか?
コンクリート塀の多い東京で、自然素材の味わいや温もりを尊重して下さった施主様に感謝し、今後とも精進したいと思います。
定泉寺様ありがとうございました。